リッチな店長日記
鍛造アイアンの作り方 その1
2021年12月09日
ゴルフクラブのアイアン
金属製の、主に鉄だったり、ステンレスだったりするんですが
その鉄を用いたアイアン
鍛造方式っていったい何なのか
鉄に熱を加えて溶かし、セラミックの型に流し込んで作るのが鋳造
鉄の丸棒から叩いて形にしていくのが鍛造です
鍛造はこの丸棒から始まります
長い棒を決まった長さにカットして
ここから作業が始まって行きます
これがいわゆる25Cという素材です
15Cという素材もありますが、メインはこの25Cです
実はこの25C、使われたのは最近です
一般にはもう少し柔らかい素材の金属が使われておりました
鍛造工場では、この25Cと一般的なもう一つの素材が使い分けられておりました
ある時、事件が起こりました
Y社の契約プロが男子も女子も同時に優勝したのです
注文が一気に入りました
使い分けていた丸棒が分からんようになったんです
Y社用の25C
一般用の別の素材
私は、ヘッドになって曲げたら分かります
それ以来、素材は25Cがメインになりました
ここから鉄の丸棒は、それぞれの違った運命を持つ
どの形になるか、その分かれ目です
しかも、あまり使われないロングアイアンか
それとも最も使用頻度の高いウェッジか
自動ハンマーだから3回打っただけで次の工程に移れるが
その昔は、鍛冶屋だから
刀を鍛えているのと同じ
しかも今は、ほぼ出来上がった形になるわけです
マッスルバックの形のアイアンが出てきたわけです
キャビティーはキャビティーの形に
削ってキャビティーの形にするのは、つい最近のこと
このバリを取って、以前市川町のゴルフフェスで玄関先のトーンチャイムとして販売しました
ミニ金槌をひもで吊るして
叩くと澄んできれいな音がするんです
それがボックスキャビティーならこもった音がします
コメントは時にありません
この時点では、まだホーゼルに穴が開いておりません
もう少しローアングルから撮るべきでした
何ら変化のない同じような画像を次にご覧いただきましょう
締め直しとありますが、急速に冷やすのと、ゆっくり冷やすのと
アイアンの硬さが異なると言われております
うっすら分かるでしょうか?
このヘッドはホーゼルに穴が開いております
この工程は、通常場所を鉄工所に変えてなされます
あとで穴を少し調整したいときもあります
この時は少し小さめの穴があいています
スコアラインが入っています
このスコアラインの大きさ、ラインの本数、入れる場所
また、スコアラインのデザインによって
アイアンの出来不出来が左右されます
NC加工は、通常鉄工所でなされます
その他の作業はこの場面以降、油圧プレス機を持った各メーカーに任されます
こちらはNC加工が施されたアイアンヘッド
メッキ前のヘッドは、メッキをしたように見えるほど美しく光ってます
ブラストはサンドブラストで、フェースのスコアラインのところの艶消しの加工です
メッキ前のサンドブラストと、メッキ後のサンドブラスト
それによっても仕上がりが異なります
通常3g、メッキにより重くなります
但し、メッキの方法により、変化する重量は異なります
いつも見ているヘッドの状態
あとは刻印のペイントを入れるぐらいでしょうか
メッキにまわる前にロフトやライ、重量を調整しておきますが
出来上がった後も再チェックします
こちらは共栄ゴルフ工業さんのサンプルでした
小さな工場の製造過程を私は説明させていただきましたが、
共栄ゴルフ工業さんは、業界大手ですのでほとんどの工程が社内でなされているかもしれません
鍛造工場 ⇒ 鉄工所 ⇒ ゴルフ工場 ⇒ メッキ工場 ⇒ ゴルフ工場 ⇒ ゴルフ工房やゴルフショップ
鉄の丸棒になった後は、上記のような流れになります
溶かした金属を流し込む
鋳造(ちゅうぞう)の方法を市川町はとってないわけです
市川町は鍛造(たんぞう)方式です
区別して覚えてくださいね
- Tweet